Motricity Index(MI)を知る:リハビリ現場で役立つ運動機能評価法の解説
Motricity Index(以下、MI)は、筋力を評価する運動機能評価尺度の一つで、特に脳血管疾患後のリハビリテーションにおいて重要な役割を果たしています。この評価法は、Danielsらが提唱した徒手筋力検査法(Medical Research Council; MRC)を基にしており、筋力を0–5の6段階に分類し、定量的に運動機能を評価します。
MIは上肢および下肢の運動機能を総合的に評価し、ピンチグリップや肘関節屈曲、肩関節外転などの上肢テスト、および足関節背屈、膝関節伸展、股関節屈曲などの下肢テストを通じて得点を算出します。この得点は、脳血管疾患による運動麻痺の程度やリハビリ効果を客観的に把握するのに役立つだけでなく、予後予測にも応用されます。
次に、MIの具体的な評価方法について詳しく紹介していきます。
目次
上肢テスト
①ピンチグリップ
②肘関節屈曲運動
③肩関節外転運動
下肢テスト
④足関節背屈運動
⑤膝関節伸展運動
⑥股関節屈曲運動
上肢テスト
上肢テストは3項目ありピンチグリップ、肘関節屈曲運動、肩関節外転運動があります。
①ピンチグリップ
ピンチグリップでは人差し指と親指で一インチ(約2.5㎝)の箱を握ります。
0点:動かない
11点:把握の始まり
19点:重力なしで箱を握る
22点:重力に抗して箱をつかむ
26点:引っ張りに抗して握る
33点:正常
②肘関節屈曲運動
肘関節を90°曲げた状態から始まます。
0点:動かない
9点:収縮はみれるが動かない
14点:重力なしで動く
19点:重力に抗して動く
25点:抵抗に逆らって動くが弱い
33点:正常
③肩関節外転運動
0点:動かない
9点:収縮はみれるが動かない
14点:重力なしで動く
19点:重力に抗して動く
25点:抵抗に逆らって動くが弱い
33点:正常
下肢テスト
下肢テストは3項目あり足関節背屈運動、膝関節伸展運動、股関節屈曲運動があります。
④足関節背屈運動
0点:動かない
9点:収縮はみれるが動かない
14点:重力なしで動く
19点:重力に抗して動く
25点:抵抗に逆らって動くが弱い
33点:正常
⑤膝関節伸展運動
0点:動かない
9点:収縮はみれるが動かない
14点:重力なしで動く
19点:重力に抗して動く
25点:抵抗に逆らって動くが弱い
33点:正常
⑥股関節屈曲運動
0点:動かない
9点:収縮はみれるが動かない
14点:重力なしで動く
19点:重力に抗して動く
25点:抵抗に逆らって動くが弱い
33点:正常
【参考文献】
編 細田多穂・柳澤健(2010)『理学療法ハンドブック-第1巻 理学療法の基礎と評価』協同医書出版社.
住所:香川県高松市桜町2丁目15-46 チェリータウン101
電話:087-802-1290
脳梗塞リハビリSSP高松
理学療法士 井上