脳出血とは

こんにちは、脳梗塞リハビリSSP高松です(^^)

今回はほとんどの方が一度は耳にしたことがある「脳出血」についてまとめましたので詳しくお話していきたいと思います。

【目次】


【脳出血とは】

【脳出血の原因】

【脳出血の症状】

【脳出血の種類】

【脳出血の診断】

【脳出血の治療】

【脳出血の対策】

【脳出血の後遺症】

【脳出血の合併症】

【脳出血後のリハビリについて】


 

【脳出血とは】

脳出血は、脳内の血管が破裂または漏出し、脳内に出血が生じる病態を指します。脳出血は、突然発生することが多く、急性期の治療が非常に重要です。脳出血は、脳卒中の一種であり、重篤な障害や死亡に至ることもあります。

【脳出血の原因】

脳出血の原因としては、高血圧、血管の病気(動脈瘤、動脈硬化、血管異形成など)、出血性脳梗塞、頭部外傷、脳腫瘍などがあります。高血圧は最も一般的な原因であり、高齢者や男性に多く見られます。

①高血圧とは

心臓が血液を体内に送り出す際の血圧が、一般的な範囲を超えて高くなっている状態を指します。正常な血圧とされる基準値は、収縮期血圧(上の血圧)が120mmHg以下、拡張期血圧(下の血圧)が80mmHg以下です。一方、高血圧は、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上とされています。高血圧は加齢とともに発症することが多く、生活習慣病の一つとしても知られています。高血圧の原因には、肥満、運動不足、高塩分・高脂肪食品の過剰摂取、ストレスなどがあります。また、家族歴がある場合や、高齢者、糖尿病患者、腎臓病患者、喫煙者などにも高い発症リスクがあります。高血圧は、適切な治療を受けることで、症状を改善し、合併症のリスクを軽減することができます。定期的な血圧の測定と、適切な治療・予防を行うことが重要です。

②動脈瘤とは

血管の壁の一部が膨らんでいる状態を指します。脳動脈瘤は、脳の血管の一部が膨らんでいる状態を指します。脳動脈瘤は、通常は症状が現れず、患者が自覚できる場合が少ないため、偶然検査で発見されることが多いです。しかし、脳動脈瘤が破裂すると、脳出血やくも膜下出血を引き起こし、命にかかわる危険性があります。脳動脈瘤の原因は、先天的なものや、高血圧、動脈硬化、喫煙、アルコールの過剰摂取、脳外傷などが関係していると考えられています。また、家族歴がある場合、発症リスクが高くなることもあります。

③動脈硬化とは

血管内膜の壁が厚く、硬くなり、血管内腔が狭くなる病気です。主に高齢者に多く、動脈硬化性疾患の一つとして、脳梗塞や心筋梗塞の原因になることがあります。動脈硬化は、主に以下のような原因によって引き起こされます。

・食生活や運動不足などの生活習慣病の影響

・喫煙

・高血圧

・高コレステロール血症

・糖尿病

これらの原因によって、動脈内膜に脂肪やコレステロールが蓄積し、炎症や傷つきが起こります。動脈硬化は、初期症状がないため、気づかずに進行してしまうことがあります。そのため、定期的な健康診断や生活習慣の改善が重要です。

血管異形成とは

血管の形態や構造に異常が生じ、正常な血流を妨げる病気の総称です。先天的なものと後天的なものがあります。先天的な血管異形成は、胎児期に血管の発育が正常に進まなかったり、異常な分布や接合が生じたりすることで引き起こされます。脳の血管異形成でよく知られているのは、動静脈奇形と呼ばれる病気で、脳内の動脈と静脈が異常な接合をしている状態です。これによって、脳内の血流が正常に流れず、脳出血や脳梗塞を引き起こすことがあります。後天的な血管異形成は、血管の炎症、外傷、化学物質などが原因となり、血管の形態や構造が異常になることで引き起こされます。代表的な疾患としては、カポジ肉腫、クラインフェルター症候群、ラットマン症候群などがあります。血管異形成は、治療法が多様で、病変の部位や大きさ、形状によって異なります。血管内治療や手術、放射線治療などが行われますが、早期発見・早期治療が重要です。

【脳出血の症状】

脳出血の症状は、突然の頭痛、意識障害、吐き気、嘔吐、言語障害、四肢の麻痺、知覚障害、感覚障害などが挙げられます。これらの症状は、出血の場所によって異なります。例えば、大脳皮質の出血では、四肢の麻痺や言語障害が生じることが多く、脳幹の出血では、意識障害や呼吸障害が生じることがあります。また、脳出血の症状は、出血量や速度によっても異なります。急性の場合は、症状が急速に進行するため、重症化しやすいという特徴があります。脳出血は、診断が遅れると死亡率が高くなるため、上記の症状が現れた場合は、迅速に医療機関を受診することが重要です。

【種類】

・脳内出血

脳内出血は、脳の中で起こる出血で、主に高血圧や脳動脈瘤が原因となります。脳内出血は、脳の一部分に生じることが多く、周辺の神経や脳細胞を圧迫することで症状が現れます。

・脳室内出血

脳室内出血は、脳の内部にある脳室と呼ばれる空洞内で出血が生じる病態です。脳室は、脳脊髄液を生成し、排出する重要な役割を持っています。脳室内出血が起こると、脳脊髄液の流れが妨げられ、脳の圧迫や障害が生じることがあります。

・脳膜下出血

脳膜下出血は、脳と頭蓋骨の間の薄い膜である脳膜下腔内で起こる出血です。主に、脳動脈瘤や頭部外傷が原因となります。脳膜下出血が生じると、脳の圧迫や神経機能障害が現れることがあります。

脳出血の種類によって、原因や症状、治療法が異なるため、正確な診断が必要です。

【脳出血の診断】

脳出血の診断には、CTスキャン、MRI、脳血管造影などが用いられます。特にCTスキャンは、脳出血の診断に最も有効な検査とされています。また、脳出血の原因が不明な場合には、心臓、血管などの検査が必要となることがあります。

【脳出血の治療】

脳出血の治療には、手術療法、保存的療法があります。手術療法は、出血の原因を取り除くために行われる場合があります。保存的療法は、症状の改善を促すために、血管内治療により血管内にカテーテルを挿入して、破裂した血管を塞ぐ処置や、薬物療法による血圧や血糖値の管理、抗凝固薬の投与、頭部の高い位置での安静などが行われます。また、急性期には、集中治療が必要となります。これには、人工呼吸や輸液、栄養補給などが含まれます。

【脳出血の対策】

脳出血の対策としては、

・健康的な生活習慣の維持:健康的な食事、適度な運動、禁煙などが重要です。

・高血圧の予防・治療:高血圧を予防するためには、塩分摂取量の制限や、適正体重の維持、適度な運動などが必要です。

・脳動脈瘤の治療:脳動脈瘤を早期に治療することが、脳出血の予防につながります。

・薬物治療の適切な管理:血液凝固異常を引き起こす薬物を使用している場合には、適切な管理が必要です。

 

【脳出血の後遺症】

脳出血の後遺症としては、言語障害、運動障害、視覚障害、認知症などがあります。ここでは運動障害の種類をいくつかご紹介いたします。

・半身麻痺:脳出血が起こった半身に、手足が動かしにくくなり、感覚が鈍くなることがあります。

・手足のけいれん:筋肉が硬直し、手足が痙攣することがあります。

・転倒やバランス障害:脳の制御がうまくいかなくなるため、立ち上がりや歩行時にバランスを崩しやすくなることがあります。

・随意運動の困難:自分で意図した動きがうまくできなくなり、手足の動作が不自由になることがあります。

・運動痩弱(うんどうそうじゃく):筋力が弱くなり、手足を動かすことが困難になることがあります。

これらの後遺症は、脳出血の部位や重症度によって異なります。また、リハビリテーションや生活習慣の改善などによって改善する場合があります。

【脳出血の合併症】

脳出血の合併症としては、再出血や脳浮腫、脳内圧亢進、感染症、肺炎などがあります。これらの合併症は、急性期の治療や予防策の徹底によって予防することが重要です。

【脳出血後のリハビリについて】

脳出血後のリハビリテーションは、機能回復を促すために非常に重要です。リハビリテーションの方法としては、理学療法、作業療法、言語聴覚療法などがあります。これらの療法は、脳出血後の障害の種類や程度に応じて個別に行われます。また、リハビリテーションに加えて、生活習慣の改善や禁煙、飲酒の適正化、適度な運動、バランスのとれた食生活などの自己管理が重要です。

【最後に】

以上、脳出血について詳しく説明してきました。脳出血は、予期せぬ発症や重篤な障害、死亡に至ることもあるため、生活習慣の改善や定期的な健康診断などで予防することが大切です。また、脳出血が発生した場合には、早期の治療が重要であり、急性期の治療だけでなく、リハビリテーションや自己管理による慢性期の治療も重要です。脳出血を予防するためには、高血圧の適切な治療や禁煙、飲酒の適正化、運動不足の改善などが必要です。また、定期的な健康診断や脳ドックの受診も推奨されています。脳出血は、突然の発症や重篤な合併症、後遺症を引き起こす可能性がある病気です。しかし、生活習慣の改善や早期の治療、リハビリテーションによって、機能回復や障害の改善が期待できます。また、予防策の徹底によって、脳出血を未然に防ぐことができます。自己管理の重要性も大きく、適度な運動やバランスのとれた食生活、禁煙や飲酒の適正化などを心がけることが、脳出血の予防につながります。