【脳梗塞の後遺症】冬場にやるべき気をつけること完全版
冬になると「脳梗塞の後遺症が悪化する気がする」「動きにくい・しびれが強い」と感じる方は少なくありません。寒さは血圧の上昇や筋肉のこわばりを引き起こし、転倒やヒートショックなどのリスクも高めます。その一方で、「何に気をつけたら良いのか」「リハビリは続けた方がいいのか」と不安を抱えながら、はっきりした答えが見つからないまま冬を過ごしている方も多いのが現状です。本記事では、高松で自費リハビリ施設を運営する立場から、脳梗塞の後遺症がある方とご家族に向けて、冬場に気をつけたいポイントをわかりやすく整理しました。血圧・脱水・生活動作・リハビリの続け方など、今日から実践できる具体的な対策をまとめていますので、冬を安心して乗り越えるためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
目次
高松で脳梗塞の後遺症がある方が、冬場に困りやすいこと
高松の冬は全国と比べると極端な寒さではありませんが、12〜2月は朝晩の冷え込みが強くなり、脳梗塞の後遺症がある方には負担がかかりやすい季節です。片麻痺やしびれ、筋緊張のある方は、冷えによって症状が強まり、動きづらさが日常生活に影響するケースが多く見られます。また、気温差による血圧変動やヒートショックのリスクも高まるため、生活全般に注意が必要です。冬は外出機会が減り運動量が低下しやすく、リハビリ意欲の低下や筋力低下にもつながります。高松で脳梗塞の後遺症に向き合う方が冬を安心して過ごすには、寒さに合わせた生活調整と、無理なく継続できるリハビリの工夫が大切です。
高松の冬の特徴と、脳梗塞後のからだへの影響
高松の冬は、朝晩の冷え込みと乾燥が特徴です。脳梗塞の後遺症がある方は、寒冷刺激によって血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなります。その結果、手足の冷えやこわばりが強まり、筋肉や関節の動きが悪くなることがあります。また、湿度が低くなることで体内の水分が失われやすくなり、脱水傾向から血液が濃くなることも脳梗塞再発のリスク要因となります。冬場は体温調節機能も低下しやすく、「なんとなく調子が悪い」「疲れやすい」といった状態が続くことも少なくありません。高松の気候に合わせて、暖房や加湿、衣類の工夫など生活環境を整えることが、後遺症悪化を防ぐ第一歩になります。
「寒くなると動きづらい」「しびれが強くなる」と感じる理由
脳梗塞の後遺症がある方の多くが、冬になると「足が前に出にくい」「手のしびれが強くなる」と感じます。これは、寒さで血管が縮み、筋肉や神経への血流が低下することが大きな理由です。特に片麻痺がある場合、もともと筋緊張が高くなりやすい側に冷えが重なることで、こわばりやすく、歩行時のふらつきも強くなります。また、感覚障害がある方は、寒さによる末梢循環の悪化で痛みやしびれを過敏に感じやすくなります。「冬は動きづらいから仕方ない」と諦めず、体を温めてから動く、こまめにストレッチを行うなど、小さな工夫で症状を軽減できることも多くあります。
リハビリを続けたいのに「外に出たくなくなる」冬の心理的ハードル
冬になると、「転んだら怖い」「寒いから今日はやめておこう」と外出やリハビリを控えがちになります。体が思うように動かない不安に加え、日照時間の短さや気分の落ち込みも重なり、意欲が低下しやすい季節です。その結果、リハビリの回数が減り、筋力やバランス能力が落ちてしまうと、さらに外出が怖くなるという悪循環に陥ることもあります。大切なのは、「遠くまで頑張って出かける」ことよりも、「できる範囲で、細く長く続ける」ことです。外出が難しい日は、自宅でできる運動に切り替える、オンラインでの相談を活用するなど、冬なりの続け方を一緒に工夫していきましょう。
冬に悪化しやすい脳梗塞の後遺症と「要注意サイン」
冬は脳梗塞の後遺症が悪化しやすい季節です。気温の低下は筋肉や関節の動きに大きく影響し、片麻痺・筋緊張・しびれなどの症状を強く感じる方が増えます。また、寒さによる血圧変動が再発リスクを高めることもあり、「いつもより歩きにくい」「しびれ方が違う」「疲れやすい」といった小さな変化が重要なサインになることも少なくありません。冬は運動量が落ちやすく、リハビリを休みがちになることで症状の進行につながることもあります。この章では、冬場に悪化しやすい症状の特徴と、「この状態が続いたら早めに相談したい」という要注意サインについて整理してお伝えします。
片麻痺・歩行のふらつきが強くなるときに気をつけること
冬になると、「足が前に出にくい」「ふらつきやすい」と感じる方が増えます。寒さで筋肉が固まり、麻痺側の関節可動域が狭くなることが主な原因です。特に朝の冷え込みや、暖房のない玄関・廊下を歩くときに転倒リスクが高まります。歩行時は急がず、一歩ずつ足の接地を確認しながら進むことが大切です。杖や装具を使用している場合は、冬の時期こそ長さやフィット感を再確認し、「いつもと違う歩きにくさ」があるときは専門職に相談しましょう。無理に長距離を歩こうとするよりも、「短い距離をこまめに歩く」ほうが安全で効果的です。
手足のこわばり・筋緊張が高まりやすい冬場の特徴
冬は交感神経が優位になりやすく、その結果、麻痺側の筋緊張が高まり、手足がこわばりやすくなります。特に起床直後や、体が十分に温まっていない時間帯に、関節が動きにくく感じることが多いです。また、寒さから無意識に肩や首に力が入り、姿勢が丸くなることで、さらに筋肉が硬くなる悪循環も起きやすくなります。これを防ぐためには、朝に布団の中でできる簡単なストレッチや、関節の曲げ伸ばし運動を取り入れることが有効です。入浴前後に軽い体操を行い、筋肉が温まった状態でリハビリを行うと動きやすさが大きく変わります。
しびれ・感覚障害が強くなるときのセルフチェック
しびれや感覚障害は、寒さで血流が悪くなると強まりやすい症状です。「いつもより冷たく感じる」「しびれの範囲が広がった気がする」と感じたときは、次のポイントをセルフチェックしてみてください。
①左右差が普段より強くなっていないか
②しびれの範囲が広がっていないか
③力が入りにくくなっていないか
④歩行中に足を引きずる感じが強くなっていないか
まずは体を温めて軽いストレッチを行い、30分〜1時間後に再度状態を確認します。それでも変化がない、もしくは悪化している場合は、単なる冷えだけでなく他の要因も考えられるため、早めに専門家へ相談しましょう。
こんな症状が出たらすぐ相談したい「再発サイン」
冬は脳梗塞の再発リスクが高まる季節です。「冬だから少し調子が悪いだけ」と思い込んでしまうと、対応が遅れることがあります。特に注意したいのは、次のような症状です。急に片側の手足に力が入らなくなった、急なろれつ不良や言葉が出にくい、急激な激しい頭痛、片目が見えにくい・視界がゆがむ、いつもと違う強い疲労感や眠気などです。これらは一過性の症状として現れることもありますが、再発やTIA(一過性脳虚血発作)の可能性があります。「いつもと違う」と感じたときは、迷わず医療機関や救急相談窓口に連絡しましょう。
冬場に気をつけるべき血圧・脱水・ヒートショック対策
冬場は脳梗塞の再発リスクが高まる季節であり、その中心となるのが「血圧の上昇」「脱水」「ヒートショック」です。寒さによる血管収縮で血圧が急上昇し、血栓ができやすい状態になるため、普段血圧が安定している方でも注意が必要です。また、冬は喉の渇きを感じにくく、暖房による室内の乾燥も重なって、気づかないうちに脱水が進みやすくなります。さらに、浴室や脱衣所など家の中の温度差によって起こるヒートショックは、高齢者や片麻痺のある方にとって命に関わる危険もあります。この章では、自宅で実践できる血圧管理や水分補給のコツ、安全な入浴方法などを具体的にご紹介します。
冬に血圧が上がりやすい理由と「自宅でできる血圧管理」
冬になると血圧が上がりやすくなるのは、寒さで血管が収縮し、血流を保つために心臓に負担がかかるからです。特に起床直後や、冷えた廊下に出たときなど、急激な温度変化の場面で血圧は大きく変動します。脳梗塞後の方は、この血圧変動が再発リスクに直結するため、日々の血圧チェックが欠かせません。自宅では「毎朝・毎晩」同じ条件で測定し、ノートやアプリに記録して傾向をつかみましょう。測定前には深呼吸をして落ち着き、室温を18〜20℃程度に保つと安定した値が出やすくなります。普段より20〜30mmHg以上高い状態が続く場合は、自己判断せずに主治医へ相談することが重要です。
冬でも脱水に注意!こまめな水分補給のポイント
冬は夏のような暑さを感じにくいため、喉の渇きを自覚しにくく、水分摂取量が減りがちです。しかし、暖房による室内の乾燥や、呼気からの水分喪失により、体内の水分は確実に減っています。水分が不足すると血液が濃くなり、血栓ができやすくなるため、脳梗塞後の方にとって脱水は大きなリスクです。目安としては、朝起きたとき、リハビリや運動の前後、入浴前後、就寝前など、1日6〜8回に分けて少量ずつ水分を摂ることが理想です。常温の水や麦茶、白湯などが適しており、カフェインやアルコールを含む飲み物は利尿作用があるため、飲み過ぎには注意が必要です。
入浴時のヒートショックを防ぐための室温・湯温の目安
冬の入浴は、冷えた脱衣所から温かい浴室、さらに熱い湯船という大きな温度差によって、血圧が急激に変動しやすくなります。これがヒートショックと呼ばれる現象で、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になることもあります。安全に入浴するためには、脱衣所と浴室をあらかじめ暖めておくことが重要です。目安として、脱衣所は20℃前後、浴室は18〜20℃程度に保つと安心です。お湯の温度は40℃前後に設定し、42℃以上の高温は避けましょう。湯に浸かる時間は10〜15分以内とし、長湯は控えることをおすすめします。入浴前にコップ1杯の水を飲むことで、血液の濃縮を防ぎ、ヒートショック予防にもつながります。
高血圧・糖尿病などの持病を、冬場に悪化させないコツ
高血圧や糖尿病、心疾患などの生活習慣病は、寒さによる血圧変動や運動量の低下によって、冬場に悪化しやすくなります。まずは処方された薬をきちんと服用し、自己判断で中断しないことが大前提です。食事面では、塩分を控えめにし、野菜や果物、魚を意識して取り入れることで血圧や血糖の安定が期待できます。鍋料理や汁物は身体を温めてくれますが、スープを飲み過ぎると塩分過多になりやすいため注意が必要です。また、冬は甘い飲み物やお菓子の摂取が増えがちなので、回数や量を意識してコントロールしましょう。運動は「短時間でも毎日続ける」ことを大切にし、室内での体操やストレッチでも十分な効果があります。
冬の生活動作(歩行・トイレ・入浴)で気をつけること
冬は、脳梗塞の後遺症がある方にとって生活事故が起こりやすい季節です。特に冷え込みや家の中の温度差は、歩行時のふらつきや筋緊張の増加、血圧変動を招き、転倒やヒートショックのリスクを高めます。高松でも、玄関・廊下・トイレ・脱衣所などは暖房が行き届きにくく、「家の中だから大丈夫」と油断しやすい場所です。また、冬は衣類が厚くなり、動きづらさや足元の視界不良から転倒しやすくなることもあります。この章では、住環境の整え方や動作の工夫を通して、冬場の生活を安全に過ごすための具体的なポイントを解説します。
玄関・廊下・トイレでの転倒を防ぐための住環境の工夫
家の中で転倒が多い場所として、玄関・廊下・トイレが挙げられます。これらの場所は床が冷えやすく、滑りやすい素材が使われていることも多いため、冬場は特に注意が必要です。玄関には滑りにくいマットを敷き、段差がある場合は手すりや簡易スロープの設置を検討しましょう。廊下は夜間でも足元が見やすいようにセンサーライトを設置すると安心です。トイレには暖房便座や小型ヒーターを置き、急激な温度差を避けることが大切です。また、マット類がめくれていると足を引っかけやすくなるため、滑り止め付きの製品を選ぶ、もしくは不要なものは撤去することも転倒予防につながります。
片麻痺がある方の「冬場のトイレ・夜間トイレ」の注意点
冬場のトイレ、とくに夜間のトイレは、脳梗塞後の方にとって最も転倒や血圧変動が起こりやすい場面のひとつです。寝起き直後は血圧が不安定なうえ、麻痺側の筋肉がこわばっているため、立ち上がりや歩き始めでふらつきやすくなります。トイレまでの動線には手すりを設置し、足元が見えるように常夜灯や人感センサー付きライトを活用しましょう。厚着のまま急いで歩くと足が上がりにくくなり、転倒の原因になります。「ゆっくり立ち上がる」「一歩ずつ確認しながら歩く」ことを習慣にしてください。便座が冷たいと強い緊張が走るため、暖房便座や便座カバーの活用も有効です。
お風呂場・脱衣所の暖房対策と、安全な入浴の手順
お風呂場と脱衣所は、家の中でもっともヒートショックが起こりやすい場所です。冬場は特に温度差が大きくなり、血圧が急激に上下することで脳梗塞や心疾患のリスクが高まります。入浴前に脱衣所を20℃前後に暖め、浴室もシャワーや浴室暖房で温めておきましょう。湯温は40℃前後を目安にし、42℃以上の熱いお湯は避けることをおすすめします。湯に浸かる時間は10〜15分程度とし、長風呂は控えましょう。浴槽への出入りは、手すりをしっかりつかむなど安全な手順を守ることが大切です。入浴前後には水分補給を行い、湯上がりはすぐに衣服を着て体を冷やさないようにしましょう。
冬におすすめの衣類・靴・防寒グッズの選び方(滑りにくさ・着脱しやすさ)
冬の衣類や靴の選び方は、転倒予防に直結します。衣類は厚手のものを重ねすぎると動きが制限されるため、軽くて保温性の高いインナーやフリース、薄手のダウンなどを活用すると良いでしょう。片麻痺のある方には、前開きで着脱しやすい上着や、伸縮性のあるズボンがおすすめです。靴は滑りにくい靴底、かかとがしっかり固定される、つま先が適度に曲がるものを選び、脱げやすいスリッパはできるだけ避けましょう。防寒グッズとしては、首・手首・足首を温めると全身が温まりやすくなります。動きやすさと安全性を両立した防寒スタイルを心がけることが、冬場の事故予防につながります。
冬でも無理なく続ける「高松でのリハビリ」対策
冬はリハビリの継続が難しくなる季節です。寒さによる筋肉のこわばりや転倒への不安から、外出や運動を控えがちになり、その結果として筋力やバランス能力が低下してしまうことがあります。しかし、脳梗塞の後遺症改善において最も大切なのは無理なく続けることです。高松の冬は比較的穏やかとはいえ、朝晩は冷え込むため、外出が難しい日は自宅での簡単な運動に切り替える、オンラインや訪問リハビリを活用するなど、季節に合わせた工夫が必要です。地域に根ざした専門施設をうまく利用しながら、冬でも途切れないリハビリ環境を整えていきましょう。
寒い時期でも続けたい「自宅でできる簡単リハビリ運動」
外出が難しい日でも、自宅でできるリハビリ運動を続けることで、筋力低下や関節のこわばりを予防できます。おすすめは、椅子に座って行う足首の曲げ伸ばし、かかと上げ・つま先上げ、股関節の開閉運動、立ち座りの練習などです。上肢では、肩をすくめて下ろす運動や、両手を組んで腕を前や上に伸ばす運動が有効です。麻痺側を意識して動かすこと、息を止めずにゆっくり行うことがポイントです。運動の前に部屋を暖め、関節周囲をさすって温めてから始めると、動きやすさが大きく変わります。1日に数回、5〜10分でも続けることが大きな差につながります。
体が冷えやすい方におすすめの、冬場のウォーミングアップ
冷えやすい方は、リハビリや歩行練習の前に丁寧なウォーミングアップを行うことで、安全性と効果が高まります。まずは手首・足首をゆっくり回し、関節まわりを温めます。次に、肩を前後に回したり、肩甲骨を寄せる運動を行うことで、上半身の血流が良くなります。麻痺側の手足は、さする・軽く揉むなどの自己マッサージも有効です。室温は18〜20℃程度に保ち、体が冷えない服装で行いましょう。ウォーミングアップの時間を普段より少し長めにとることで、本番の動きが滑らかになり、転倒リスクの軽減にもつながります。
高松で脳梗塞リハビリを続けるときの相談先・専門施設の選び方
高松で脳梗塞の後遺症リハビリを続ける際には、脳卒中リハビリの経験や専門性、マンツーマンで見てもらえるか、冬場の体調変化にも柔軟に対応してくれるかといった点が重要です。病院での外来リハビリに加え、自費リハビリ施設を利用することで、より個別性の高いプログラムを受けられる場合もあります。脳梗塞リハビリSSP高松では、完全マンツーマン・予約制で、一人ひとりの症状や生活環境に合わせたリハビリを提供しています。冬場の不調や不安も含めて相談していただける体制を整えていますので、この冬をどう乗り越えたらよいか不安という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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家族・介護者が冬場に気をつけること
冬は、脳梗塞の後遺症があるご本人だけでなく、家族や介護者にとっても負担が増える季節です。寒さによる体調変化や動きにくさから介助の場面が増え、心身ともに疲れを感じやすくなります。一方で、家族の声かけや環境づくりが、転倒や再発を防ぐうえで大きな役割を果たします。この章では、「見守り」と「自立」を両立する関わり方や、入浴・トイレ介助のポイント、再発サインへの気づき方、そして介護者自身の健康管理についてお伝えします。無理をしすぎず、家族全体で冬を乗り越えるためのヒントになれば幸いです。
「見守り」と「自立」を両立する冬場の声かけと関わり方
冬は体調が不安定になりやすく、介助が増えることで、つい全部手伝ってあげた方が安心と考えてしまうことがあります。しかし、できることまで代わりに行ってしまうと、自立の機会を奪ってしまうことにもつながります。大切なのは、危険な場面はしっかり見守りつつ、できるところは本人に任せるバランスです。声かけのポイントは、急がせない、選択肢を示す、できたことを認めるの3つです。例えば、「ゆっくりで大丈夫ですよ」「先に暖かい部屋に移動してから着替えましょうか」など、気持ちに寄り添いながら安全な行動に導く言葉がけを意識しましょう。
入浴・トイレ介助で気をつけたい安全ポイント
冬場の入浴とトイレ介助は、転倒やヒートショックのリスクが高く、特に注意が必要です。入浴前には脱衣所と浴室を十分に暖め、急激な温度差を避けることが重要です。立ち座りや浴槽の出入りを介助する際は、麻痺側の足が引っかからないように注意し、手すりや浴槽縁をしっかりつかんでもらいながら、ゆっくり動作してもらいましょう。トイレ介助では、夜間は特にふらつきやすいため、必ず照明をつけ、立ち上がりの瞬間を見守ることが大切です。着脱しやすい衣類を選ぶことで、介助負担も軽減されます。少し面倒でも、ひと手間かけることが冬の事故予防につながります。
家族が気づきやすい「体調変化・再発のサイン」
ご本人は体調の変化に気づきにくいことがあり、家族の視点が早期発見につながることも多くあります。冬場に注意したいサインとして、いつもより歩き方が不安定になっている、会話中に言葉が詰まりやすい、表情が乏しく元気がない、手足のしびれや冷えを頻繁に訴える、急に強い眠気や疲労感を訴える、といったものが挙げられます。なんとなくいつもと違うと感じたときは、まず血圧を測定し、必要に応じて主治医や医療機関に相談しましょう。早めの対応が、重い後遺症を防ぐことにつながります。
介護者自身の体調管理とストレスケアの大切さ
介護者が疲れ切ってしまうと、判断力や注意力が低下し、思わぬ事故につながることがあります。冬は冷えによる肩こりや腰痛も出やすく、介助動作そのものが負担になることも少なくありません。介護者自身の体調管理も家族の安全を守る大切な要素です。完璧を目指しすぎず、デイサービスや訪問看護、リハビリ施設など外部の力も積極的に活用しましょう。短時間でも自分の時間を持つこと、誰かに気持ちを打ち明けることが、ストレスケアにつながります。介護者が元気でいることが、ご本人にとっても何よりの安心材料です。
よくある質問Q&A:脳梗塞の後遺症と冬の過ごし方
冬になると、脳梗塞の後遺症がある方やそのご家族から、血圧や運動、リハビリの頻度、体調管理などについて多くのご質問をいただきます。この章では、実際によく寄せられる疑問をピックアップし、リハビリ専門職の視点からお答えします。冬ならではの不安を少しでも軽くし、「これはやっても大丈夫」「ここは注意が必要」といった判断の目安として活用していただければ幸いです。
Q. 冬場、血圧が高めの日はリハビリを休んだ方がいい?
A. 目安として、普段の血圧より30mmHg以上高い状態が続く場合や、頭痛・ふらつき・胸の違和感を伴う場合は、無理をせずリハビリを中止し、医師に相談することをおすすめします。ただし、少し高め程度で症状がなければ、強い負荷の運動を避けつつ、軽い体操やストレッチに切り替えることで、むしろ血圧が落ち着くこともあります。重要なのはいつもの自分の血圧の傾向を知っておくことです。心配なときは自己判断に頼らず、専門職や主治医に相談しましょう。
Q. 手足の冷えが強いとき、リハビリはしても大丈夫?
A. 原則としてリハビリ自体は可能ですが、冷えたまま無理に動かすのはおすすめできません。冷えている状態では筋緊張が高く、関節の動きも悪くなっているため、転倒や痛みのリスクが高まります。まずは室温を整え、カイロや温熱タオルで手足や関節周囲を温め、軽いストレッチや関節運動から始めてください。十分に体が温まってから本格的なリハビリに移ることで、効果も高まり、安全に取り組むことができます。
Q. 冬に運動量が減ったとき、どれくらいの期間で筋力が落ちる?
A. 個人差はありますが、一般的には1〜2週間程度で筋力低下が始まると言われています。特に脳梗塞の後遺症がある方は、麻痺側の筋肉が使われにくいため、変化が早く出やすい傾向があります。ただし、毎日少しずつでも体を動かしていれば、急激な低下は防ぐことができます。大切なのは、長時間の運動を週に1回よりも短時間の運動を毎日コツコツ続けることです。立ち座りや足踏みなど、生活の中でできる動きを上手く取り入れていきましょう。
Q. 高松市内で、脳梗塞の後遺症リハビリについて相談できるところは?
A. 高松市内には、病院での外来リハビリや訪問リハビリに加え、自費で集中的なリハビリを行う専門施設もあります。急性期・回復期を過ぎても「もっと良くなりたい」「今の状態から一歩進みたい」と考えている方には、マンツーマンでじっくり取り組める自費リハビリが有効な選択肢となります。私たち「脳梗塞リハビリSSP高松」でも、評価からリハビリ計画、自宅での過ごし方のアドバイスまで一貫してサポートしています。冬場の不調や不安についても、お気軽にご相談ください。
【まとめ】脳梗塞の後遺症と冬場の気をつけること+高松で相談できる場所
冬は、脳梗塞の後遺症がある方にとって、血圧の変動・脱水・転倒・ヒートショックなど、さまざまなリスクが重なりやすい季節です。しかし、正しい知識と環境づくり、そして無理のないリハビリを続ける工夫があれば、冬場でも安心して生活することは十分に可能です。この章では、これまでの内容を振り返りながら、特に大事なポイントを3つに絞っておさらいし、専門職に相談するメリットや、高松での相談先についてお伝えします。
冬場に気をつけることを「3つ」に絞っておさらい
冬に意識していただきたいポイントは、次の3つです。①血圧管理と水分補給を徹底すること、②転倒やヒートショックを防ぐために、住環境と生活動作を工夫すること、③外出が難しい日でも、自宅でできるリハビリを続けること。この3つを押さえておくだけでも、冬場のリスクは大きく減らせます。「全部完璧にやろう」と思う必要はありません。できることから一つずつ取り入れていくことが大切です。
一人で頑張りすぎないために、リハビリ専門職に相談するメリット
脳梗塞の後遺症や冬場の体調変化に、一人で向き合い続けるのは大きな負担になります。「これで合っているのか」「無理をしていないか」と不安を抱えながら頑張り続けるよりも、専門職に相談しながら進める方が、結果的に安全で効率的です。リハビリ専門職は、からだの状態や生活環境を見ながら、適切な運動量や注意点を一緒に考えるパートナーです。気になることがあれば、早い段階で相談することで、悪化を防ぎ、安心して日々を過ごすことができます。
「脳梗塞リハビリSSP高松」から高松の皆さんへメッセージ
冬は、不調や不安が出やすい季節ですが、それは決して「諦める季節」ではありません。私たち「脳梗塞リハビリSSP高松」は、高松で脳梗塞の後遺症に悩む方やご家族に寄り添い、「この冬をどう乗り越えるか」を一緒に考える存在でありたいと考えています。「最近歩きにくくなってきた気がする」「冬になると体調が不安定で心配」など、どんな小さなことでも構いません。気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。あなたが安心して冬を過ごし、少しずつでも前に進んでいけるよう、全力でサポートいたします。







